ダイエットの効果を高める朝食のポイントとは?おすすめの栄養素や食材も紹介!

ダイエットをしていて、カロリーを抑えるために朝食を食べない。このような方は多くいらっしゃると思います。

実際にオーストラリアの研究チームが英医学会会報(BMJ)に発表した報告書では、朝食をとる人ほど全般的なカロリー摂取が多くなる傾向があることが発表されています。

一方で、「ダイエットをしていても朝食をとるべきだ」という意見も多くあり、どちら側の意見が正しいのでしょうか?

結論、適切な朝食はダイエットの効果を高めると、私自身は思っています。そこで今回はダイエットをされている方向けに、どのような朝食であればダイエットに有効なのかをお伝えします。

 なぜ朝食をとることがダイエットに効果的なのか?

 基礎代謝が向上する

朝食には睡眠中に低下した体温を上昇させるはたらきがあります。体温が上昇すると基礎代謝が向上し、痩せやすい体質になります。

また、就寝中もエネルギーは消費されます。身体はエネルギーが不足すると、エネルギーを補うために筋肉を分解してしまいます。筋肉が分解され筋肉量が減ってしまうと、基礎代謝の低下につながります。

 脂肪燃焼モードに切り替える

朝食には血糖値を上昇させるはたらきもあります。血糖値が上昇すると身体は「脂肪燃焼モード」に切り替わり、効率よくカロリーを消費できるようになります。

また、脂肪燃焼モードは睡眠時まで続くため、同じ3食でも「朝食 + 昼食 + 夕食」をとる人と、「昼食 + 夕食 + 夜食」をとる人の比較では、前者の方が寝ている間に分解される脂肪量が多い、という研究結果が出ています。

 お通じの改善

便秘が続くのは腹筋が弱いこともありますが、腸の動きが活発でないことも大きな要因となります。

さらにダイエット中は、食事量の減少やストレスが原因で便秘になりがちです。便秘になることで腸内環境が乱れて悪玉菌が増え、体調を崩したり肌荒れなどにもつながります。

就寝中は副交感神経が優位になるため腸の動きが活発になり、起床後は排便に適したタイミングです。また、しっかりと朝食をとることで腸が動き始め、腸の中のものを押し出しやすくなります。

 ただし朝食をとることで太ることもある

適切な朝食をとることはダイエットに効果的ですが、これまで「昼食 + 夕食」のみだった人が、そこに「朝食」を加えてしまうとカロリーオーバーになります。あくまで1日の食事量は変えず、しっかりと朝食をとるようにすることが重要です。

理想としては「朝食3 + 昼食3 + 間食1 + 夕食3」のバランスにするのがおすすめです。もしくは間食を抜いて「朝食3 + 昼食4 + 夕食3」にすると、よりダイエットに適した食事バランスになります。

 ダイエット中の朝食のポイント

 食欲のない日は温かい飲み物がおすすめ

朝食をしっかりとることが大切だとお伝えしましたが、朝食をしっかり食べる習慣がないと、朝お腹が空かないこともあると思います。そのときは、まずは温かい飲み物を飲んでみましょう。

温かい飲み物を飲むことで消化器から身体を温める事ができます。 そうすることで血行を促進させ、代謝機能をアップさせることができ、むくみの解消や便秘・肌トラブルの改善にもつながります。

 お菓子などの甘いものを控える

朝は代謝のスイッチが入っていない省エネモードのようなものです。そこへ偏った栄養バランスの高脂肪・高カロリーな食べ物を入れると、うまく代謝できず、気持ち悪くなったりだるくなったりします。

また、朝一番に甘いものを食べると血糖値が急激に上昇してしまうため、血糖値を下げようとインスリンが分泌されます。 インスリンが大量に分泌されると糖が余ってしまい、脂肪として体内に蓄積されます。

 ダイエットの効果を引き上げる栄養素

 低GIの炭水化物

ごはん・パン・麺類などの炭水化物は、脳を動かすエネルギー源である「ブドウ糖」が豊富なので朝食におすすめです。しかし、糖質をとりすぎると、糖質が脂質として身体に蓄積されるおそれがあります。

そのためダイエット中の場合は、主食に「GI値」が低いものを選びましょう。

GI値(グリセミック・インデックス)とは、食後血糖値の上昇度を示す指数です。GI値が高い食品を食べると血糖値が急上昇し、GI値が低い食品を食べると血糖値は緩やかに上昇します。

 GI値の高い食品と低い食品の代表例

GI値が70以上の食品を「高GI食品」、56~69の食品を「中GI食品」、55以下の食品を「低GI食品」と定義されています。

 タンパク質

タンパク質を消化する過程で分泌されるコレシストキニンやGLP1などのホルモンには、食欲を抑える効果があります。

また、タンパク質は食事をエネルギーに変換するはたらきがあるため、脂肪燃焼や基礎代謝の維持にもつながります。

さらにタンパク質には、肌のハリや髪のツヤを保ったり、老化を防いだり、新陳代謝を活性化させる効果もあります。タンパク質を摂取することはダイエットだけにとどまらず、美容・健康においてさまざまな良い効果をもたらします。

 タンパク質を多く含む食材

タンパク質は「肉類」「魚介類」「卵類」「大豆製品」「乳製品」などの食品に多く含まれています。朝食に取り入れやすい食材としては、鶏むね肉納豆豆腐牛乳ヨーグルトがおすすめです。

特に青魚にはDHAやEPAのような不飽和脂肪酸が含まれているため、朝食に関係なく積極的に摂取することが推奨されています。不飽和脂肪酸は身体の中で合成されない必須脂肪酸であり、食事やサプリメントを通して摂取しなくてはなりません。

また、納豆やヨーグルトなどの発酵食品は身体の調子を整える働きも期待されていて、こちらも日常的に摂取することが推奨されています。

 食物繊維

食物繊維は小腸で消化されず、大腸まで送り届けられる栄養素です。大腸の中で食物繊維が膨らみ、かさが増すため、満腹感が得られて食べ過ぎを防いでくれます

また、食物繊維は腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やすはたらきもあります。善玉菌が増えて腸内環境が整うことで、排便が促進され、便秘改善が期待できます。

食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類があります。

時間栄養学の観点では、朝食には「水溶性食物繊維」をとることが推奨されています。水溶性食物繊維を朝食にとることで、体内時計がリセットされたり、一日の血糖値が安定して保たれるなどの効果があります。

 水溶性食物繊維を多く含む食品

ちなみに、日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18~64歳における一日あたりの食物繊維の目標摂取量は、男性が21g以上、女性が18g以上とされています。

 まとめ

適切な朝食はダイエットの効果を引き上げます。朝は時間がなかったり、食欲がなかったりするかもしれませんが、ダイエットをされている方はぜひ本記事を参考にしてみてください。


参考
・Discover Japan 2023年5月号|美味しい”朝ごはん”があればうまくいく ニッポンの朝食
・厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020 年版)
・文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
・Yomeishu|朝ごはんはダイエットの味方!3つの必要な栄養素&おすすめメニュー